初恋 (RUNE0204〜5)


●基本データ●

発売日:2002年10月25日 マニュアル:

中綴じ、20P
操作説明+キャラ紹介+
ストーリー+歌詞
(*1)
ブランド:RUNE
[WEB]
BGM:PCM
音声:主人公以外フルボイス
画面:Window or FullScreen


●傾向と評価●

シリアス  70



















30  コメディ

陵辱系5

95ラブラブ系

万人向け60

40人を選ぶ

バグ指数10

安全

マニュアル60


客観的評価70


個人的趣味80



●どんな人にオススメ?●




 13ヶ月ぶりのレビューです。

 RUNEは1999年10月のfifthでデビューしたブランドです。
去年から野々原氏原画のラインとそれ以外という感じで2つのラインの作品がリリースされている感じです。
野々原ライン以外の作品ってあまりプレイしてないので、そちらのノリはよくわかりませんが、
相変わらず少し癖のあるメーカーさんです。

 主人公稔は聖桜町(*2)の丘の上に立つ聖桜館学園の2年生。
友人同士が付き合い始めたのを見て、女の子に興味を持ち始めます。
ちょうどそんな時期にいろいろな女の子と出会い、恋をしていく、このゲームはそんな話です。

 ゲームの構成は前半部と後半部に分かれており(明確に第2部とかになるわけではありませんが)、
前半部の選択で各ヒロインへの分岐が決定し、後半部はそのヒロインのストーリーが展開していきます。
分岐条件は各キャラに必須選択肢がいくつかあり、その条件を満たしたキャラに分岐しているようです。
ここは攻略ではないので詳細は避けますが、8日目には各キャラのルートに入ります。
セーブデータにもルートキャラが表示されますので、簡単に判断できるでしょう。
後半部に関しては、いくつか重要な選択肢があり、その選択を誤るとバッドエンドにいくことがあります。
ただ、シナリオの流れを理解していれば、そうそうバッドにはいかないでしょう。
というか、エンディングに絡む選択肢自体が、多分いくつかしかないと思います。

 システム的には、必要十分です。
気になるところを敢えて挙げれば、特定箇所にマウスを持っていかないと、メニューが出ない仕組みなので、
スキップ中やオートモード時、選択肢が出たときにモードが外れるのが、
ちょっと面倒くさいという感じがあります。スキップはキーボード使う手もあるにはあるんですが。
とはいえ全体的には特に不便さを感じることはないと思います。

 登場人物はヒロインが小桃先輩、妹の杏、クラスメイトの花梨、留学生の下級生ココ、幽霊の柚純の5人。
ほかにクラスメイト何人かや、各ヒロインの家族などが登場します。
雑誌などにも出ている情報なので書いてしまいますが、各ヒロインは何がしかの秘密をもっています。
まぁ、ひとり幽霊がいるので、なんとなくどういう状況かはわかるかと思いますが、
その秘密というのは超常現象ばりばりなキャラが何人かいます。

 シナリオ的には主人公とヒロインとのラブラブ物なんですが、
その間には、かなり大きな障害が待ち受けています。それはもう東京タワーばりの障害が。
ただ、それほど突拍子もない話ではないので(あくまでえろげー的にという意味、現実だったらとんでもない)、
中盤あたりで、大体どういう話なのかというのは読めるんじゃないかと思います。
基本的にRUNEのゲームがそうなように、最後はちゃんとハッピーエンドになりますので、安心してプレイできます。
全般的な印象として話にインパクトがある割に、中身が薄いっていう部分はちょっと感じましたが。

 個人的にはRUNEのシナリオとは相性がいいので、それほど気にならないんですが、
いささか強引というか、雑なシナリオ展開なんかもありますので、気になる人は気になるかも知れません。
あと、誤字はそれなりにありますね、変換間違いとか、ちょっと雰囲気壊す場合もアリです。
仲間同士の会話は結構コミカルですが、後半部の話はかなりシリアスなので、全体的にはシリアスな雰囲気です。

 原画は、RUNEのメイン原画の野々原幹氏。今回は監督の欄にもクレジットされておりますな。
こんなページ見られる人には、もはや説明は必要ない絵描きさんでしょう。
ただ、今までのRUNE作品の原画とはちょっとだけ雰囲気が違うような気がします。
どこがどうと具体的には指摘できないんですが…。
塗りはCGチーフでもある赤丸氏の雰囲気がよく出てるちょっと淡い塗り方になっています。
色合いは淡いですがきっちり塗られているので、雑誌や、パッケージ見て違和感などを感じなければ、問題ありません。

 声と音楽は率直に言ってレベル高いですね。
皆さんきっちりと演技なさってて、変な違和感があるキャラもいませんし、自然に入っていけると思います。
音楽もなんだか、生音っぽい音が随所に散見されて、心地よく聞くことができます。
結構お金かかってるんでしょうか、この辺りには…。
そういや、主題歌の「初恋」って、エンディングロールではボーカル版でクレジットされてますけど、
ゲーム中では一切、流れるシーンがないですよね…。いわゆるOPはないですし…。

 RUNEといえば変わったマニュアルがついてくるのがお約束ですが、
この「初恋」ではごく普通の冊子型のマニュアルがついています。

 さて、総評です。
とりあえず、超常現象関係に拒絶反応が出ない人には、結構お勧めな作品だと思っています。
あらゆる要素において水準は十分に越えていますし、シナリオもそれなりに楽しめるでしょう。
ただ、前述の通り恋愛成就の障害はかなり高めなので(ゲームとしての難易度は低いですが)、
純粋にべたべたした恋愛物が好きな人は、ほかにもっと好みの作品があるでしょう。
うまいこと、主人公に感情移入できる人ならば、すごく高い評価が出るんじゃないでしょうか。

P.S. 小桃先輩一押し。次点で杏、その次陽子(笑)。



*1 プレミアムBOX、または初回版の場合。通常版のマニュアルはちょっとわかりません…。

*2 某氏によると、駅前や町並みが聖蹟桜ヶ丘そのものらしいですね。それで「聖」蹟「桜」ヶ丘っぽいです、どうも。

(2002年11月4日) (2003年11月24日評価基準見直し)


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