銀色
(NKNS0001)
●基本データ●
発売日:
2000年8月31日
マニュアル:
16P(表紙カラー)
操作説明+キャラ紹介
+野武士(四コマ)
+攻略のヒント(?)
ブランド:
ねこねこソフト
[WEB]
BGM:
CD-DA
音声:
ヒロインのみ一部あり
画面:
Window or FullScreen
●傾向と評価●
シリアス
90
10
ギャグ
陵辱系
5以下
95以上
ラブラブ系
万人向け
75
25
人を選ぶ
バグ指数
15
安全
マニュアル
55
良
客観的評価
55
普
個人的趣味
20
駄
●どんな人にオススメ?●
考証や設定にあまりこだわらない人
泣きゲーはやらないと気がすまない人
Whiteが許容できた人
まず、最初に警告。銀色が好きで好きで堪らないという人は見ない方がいいかもです。批判の方が多いですから…。
ねこねこソフトブランドとしてのデビュー作です(*1)。
前作では、色物っぽい雰囲気の実はまともなシナリオだったねこねこソフトですが、
今回はある意味、真正面から突っ込んできた2作目です(Whiteに関してはそちらのレビュー参照)。
ゲームの構成は4章+αで、章ごとに時代を追って話が進んでいきます。
ゲーム全体で、なんでも願いをかなえるという銀色の糸にまつわる話が展開していきます。
ほいでは、まずはシステム関係から。
徹底的に映画のテイストを目指したということで、画面は映画風の横長タイプで、
画面下に文字が2行出るという独自のスタイルです。
この画面構成は、目新しくもあり、面白いと思いました。
また、文字と音声がそれぞれ、日本語と英語が選択できるんですが…これって、使う人いるんでしょうか?(汗)
一応使ってみた感じでは、英語はあやしげな部分がちょこちょこと目に付いたり…。
まぁ、使わない機能があること自体は別にいいんですが、
英語の音声が強制インストールで、全体で900Mになるのは、ちと問題かと。
あと、起動時には強制的にFullScreenで起動してしまうのは勘弁してください(苦笑)。
さて、シナリオです。
1章が平安、2章が鎌倉、3章が大正、4章が現代とあるのですが、
う〜〜〜ん、なんでこんなこと書いちゃったのかなぁという感じ。
一番気になった1章を例にとって話しますが、背景の建物はどう見ても平安時代の建物ではないし、
平安時代に存在しないことが明らかなものが、いくつか見受けられます。
しかも、山道には轍までついてるし…。
フィクションなんだから、正確じゃなくてもという人はいるでしょうが、
わたしはものすごい違和感を感じてしまいました。もうシナリオに集中できないほど(*2)。
時代を追っていく構成なわけですから、各章ごとに時代の移り変わりを明確に見せることで、
シナリオが効果的になることを狙っているのではないのでしょうか?
現状だと、時代観がおかしいので、時代を追っているという印象があまりありませんでした。
不満はこれくらいにして中身ですが、基本的に各章は完全なハッピーエンドではありません。
ヒロインが自分の信条に基づいて死んでいったりします。
ただ、全体として見たときにちょっと弱いかなぁという印象は否めませんでした。
なんか、でこぼこしてる感じといったら、イメージが伝わるでしょうか。
最後の辺りにかけては、それなりに良い感じだと感じましたけどね…。
各章でメインヒロインにだけ音声が入っています(フルボイスではない)。
そして、声優さん達が、かなり良い雰囲気を持って演技しているので、
サントラ的な音楽とあいまって、非常に良い感じのキャラクターイメージは作られています。
なので、前述の違和感が気にならない人ならば、それなりに評価は高いのではないかと思います。
次にCGですが、独特な絵柄で、好き嫌いはありそうですが、それなりにレベルは高いと思います。
総評としては、しっかり作って欲しいという感じです。
作品自体はそれほどレベルが低いとは思いませんし、雰囲気も良い感じなんですが、
時代物を作るのであれば、最低限の調査はするべきです。
なんというか、Whiteのときに感じていた、作りの粗さというものがそのまま出ている感じがします。
前述の違和感に関するものにしたって、調べれば数時間で調べられることだと思いますし。
メーカー側の姿勢の問題だと考えます。
…あと、これは是非、スタッフさんに聞いてみたいんだけどね。
1章で、真夏にあやめが満開で「別に珍しくない」っていう台詞があるんですが、これって意図的なんかなぁ?
別の章では、ちゃんと5〜7月って書いてあるんですけど…。
というわけで、能力はないとは思いませんが、作品としての完成度は、非常に疑問が残ります。
次回作は現代物のようですから、こういった問題は起きないでしょうけどね…。
P.S. う〜ん、現代編のあやめかなぁ…。
*1 ねこねこソフト制作としては2本目。1本目はくるみブランドの「White〜セツナサのカケラ〜」。
*2 直前にAIR(Key)をやってるせいもあるかも知れません。AIRの中間部は設定的に何ら不満はなく、
非常に正確でした。歴史上のことになぞらえ、伝承もうまく取り込んでいましたから、あれは…。
(2000年10月12日) (2003年11月24日評価基準見直し)
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