アルカナ〜光と闇のエクスタシス〜 (CIEL0004)


●基本データ●

発売日:2000年11月23日 マニュアル:

中綴じ、28P(表紙カラー)
操作説明+キャラ紹介
ブランド:Ciel
[WEB]
BGM:WAV
音声:全員フルボイス
画面:Window or FullScreen


●傾向と評価●

シリアス  90



















10ギャグ

陵辱系35

65ラブラブ系

万人向け80

20人を選ぶ

バグ指数15

安全

マニュアル50


客観的評価60


個人的趣味55



●どんな人にオススメ?●




 やっとこさ、21世紀最初のレビューをお送りいたします(汗)。

 2000年中にとか、いってたくせに、遅れまくって1月半(苦笑)。
ようやく、アルカナのレビューをお届けする事になりました。どうも、すいませんm(__)m。
例によってブランド紹介からですが、発売ブランドはCiel(CIEL)、スペースプロジェクトのブランドの1つです。
99年12月の「人形哀歌」でデビューしたブランドで、本作が5作目になります。

 それでは、内容紹介です。

 舞台は古代ヨーロッパ調。この世界では古来より光と闇が脈々と戦いを続けていた。
そして、物語は光、闇どちらにもなれる「イコンを持たぬもの」カプリスを主人公として進みます。
このゲームの特徴としては、各主要キャラクターが大アルカナ(*1)を司っていることで、
初回特典も、Tony氏描き下ろしの各キャラのタロットカードです。
更にいうと、各キャラの名前は基本的に音楽に関係する名前がついていて、
かなり、性格や特徴を象徴した名前がついてますんで、興味がある人は楽典などを調べてみると面白いです。
ちなみに主人公カプリス[caprice]は、気まぐれに・移り気なといった意味、
法皇イムヌス[hymnus]は、カトリック教会で歌われる聖歌といった感じ。

 ゲームは、4章4話の全16話構成になっており、2章の最後で光ルートと闇ルートに大きく分岐します。
それ以外は、各章で娘さんと結ばれるかどうか等の分岐はありますが、ストーリーの大きな分岐はありません。
ゲームの進行は、オーソドックスな選択肢を選ぶタイプです。
基本的に各話に娘が1人配置されており(笑)、様々な場面で種々雑多なミニゲームが挿入されます。
運に左右されるものも大半ですが、難しいものはなく、何度か挑戦すればクリアできると思います。
重要な場面では、キャラクターのカードを使ったカードバトルもありますが、これもルールを把握すれば、
よほど運に見放されない限り、さほど苦労はしないでしょう。
また、各ミニゲームの前には、必ずセーブ確認がありますので、セーブしておくとベターです。

 さてシナリオです。前述の通り、光と闇が太古の昔から戦いを続けている世界でのお話です。
嫁さん探しをしながらぷらぷらと旅をしているカプリスの前に突然魔術師風の男が現れ、
精霊のプリモを与え、4大イコンを集めれば世界の王になれると言われるところから始まります(ふぅ、長い1文だ)。
カプリスは伝説のイコンを持たぬもので、相手を絶頂に導く事で、相手のイコンを写し取れるという、
まさにえろげー向きの設定です(笑)。

 第3章からは、光ルートと闇ルートに分かれるわけですが、光ルートは世界を守る側に回り、
こちらからは、各キャラのエンディングへと行くことができます。
闇ルートは、世界を破壊する側に回り、破壊の限りを尽くしていくんですが、う〜ん…、
やはり、最後はかなりダークな結末を迎えます。率直にいって、後味悪いっす(苦笑)。

 各章に娘が1人という構成なので、数は多いんですが、その分ちょっとシナリオが薄いなぁと感じてしまいました。
それぞれの娘が、その場だけでメインストーリーにあまり絡まないのも一因かも知れません。
あとは、そう、ものすごい壮大なシナリオを扱ってる割に、なんか、それが今ひとつ感じられないんですよね。
盛り上がりに欠けるというか…。各話が直接メインストーリーに絡んでいないせいかも。
決してボリューム感がないわけではないんですけどね。むしろ、ボリュームたっぷりだし。
…そうそう、忘れるところだった。ボリュームの割にセーブポイントが少ないです。
シーン回想があれば、何も問題はなかったんですけどね。

 原画はTony氏。もはや何も語ることはないという心境なんですが、やはり瞳がいいですのぉ。
CGによってのレベル差などもあまりないので、安心して見ていられますな。
Tony氏の絵がツボに入りまくりのわたしですから、多少の贔屓目込みではありますが、
絵関係は、まったく文句ないです、はい。

 音声は、女性キャラはもちろんのこと、男性キャラ、脇役にいたるまで音声を出すことができます。
ただし、全員の声出すためには、最低限830Mの容量が必要です、はい。
ちなみに、フルインストールだと1.7Gです(汗)。
んで、音声なんですが、個人的にはちょっと不満かなぁ…。一部のキャラなんですけどね。
演じてる声優さんには悪いんですが、感情がこもったシーンになるとどうもくささが気になります。
淡々としゃべるシーンだと、気にならないんだけどねえ…。
その辺は、ちょっと残念です。こういうシナリオなので、声がうまければすごく盛り上がりますからね。
あと、個人趣味ですが、モノローグで流れる音声はもうちょっと渋い方が良かったなぁ(笑)。

 音楽に関しては、さほど言うこともないですなぁ。特別印象強いものもないし、
邪魔になった記憶もないので、無難な仕上がりといえるでしょう。

 総評。惜しいです。不満点は前述の通り、シナリオの物足りなさと声優さんの演技。
ですが、各キャラ名やアルカナなどで色んなものを象徴させる辺り、かなりきっちり設定されている印象は受けます。
ボリューム感もたっぷりで、気に入るキャラの1人や2人はいることでしょう。
そういう意味では、わたしのシナリオ上の不満は、無茶な要望なのかも知れませんけどね(苦笑)。
基本的には、よく出来たゲームではあります。システム的にも気になるとこはなかったし。
雑誌などでこのソフトに興味を持った人がプレイしても、外したと思うことはまぁないでしょう。

P.S. う〜ん、ハープかなぁ。実は姫様萌えだったり。次点でプリモとシルビア(笑)。



*1 一般的にタロットカードと呼ばれている22枚のカードのこと。本来タロットカードは78枚で構成され、
  そのうち中心的な役割を果たす0〜21番のカードが大アルカナ、それ以降が小アルカナといわれ、
  小アルカナは、現在のトランプのルーツである。

(2001年2月12日) (2003年11月24日評価基準見直し)


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